Visual Studio 2010でRigでロードテストを行う方法を記述します。Rigとは複数のリモートのコンピューターでテストを実行することができることを言います。
Rigを用いることで、複数のマシンからストレステストをかけることができるようになります。
テスト環境
今回はなるべくシンプルな構成を取り上げます。
コンピューター名:Controller
Visual Studio 2010とテストコントローラーが動いています。
テストコントローラーはテストエージェントに対してテストの実行を指示するものです。テストコントローラーはVisual Studioによって操作されます。
(テストコントローラー・テストエージェントのインストール・設定については後述します。)
コンピューター名:Agent
テストエージェントが動いています。テストコントローラーによって指示されたテストが動きます。
コンピューター名:Web
Webサーバーが動いており、ここのサイトに対してRigを用いてストレステストを行います。
*このWebサーバーで動いているアプリのソースは必要ありません。
今回はなるべく小さい規模を取り上げたかったため、ワークグループ環境にしましたが、もちろんドメイン環境でもOKです。またVisual Studioとテストコントローラーを異なるコンピューターに分けることも可能です。
その他の環境についてはInstalling and Configuring Visual Studio Agents and Test and Build Controllersをご参照ください。
ライセンス
Rigを利用するには、別途ライセンスが必要です。
Visual Studio Load Test Virtual User Pack 2010の購入か、Visual Studio 2010 Load Test Feature Packが必要です。前者は高額ですが、後者はVisual Studio 2010 Ultimate with MSDN会員が使えるもので、会員は無料です。
Rigを用いたストレステスト
準備:ControllerとAgentのコンピューターに管理者権限を持つユーザー(今回はseven)を作成します。パスワードも同じパスワードを設定する必要があります。
テストコントローラーの設定:
1. Visual Studio Agents 2010 をマイクロソフトのサイトよりダウンロードします。
2. テストコントローラーをインストールします。インストールに迷うところはありません。時間も10分程度あれば十分終わると思います。
3. テストコントローラーの最後でテストコントローラーの構成を行います。
以下の図のように、アカウントとロード テストの構成を行います。
設定の適用をクリックして以下のようになればOKです。
4. 仮想ユーザーライセンスの管理をクリックして、ライセンスを登録してください。
5. ワークグループではTeamTestAgentServiceにアカウントを追加する必要があります。Compmgmt.mscを利用して登録してください。
ここまででテストコントローラーの設定は終了です。
テストエージェントの設定:
6. Visual Studio Agents 2010を利用してテストエージェントをインストールします。インストールの設定はデフォルトで問題ありません。インストールも10分程度もあれば終わります。
7. テストエージェントのインストールの最後にテストエージェントの構成を行います。
まず、テストエージェントの実行モードを選択します。今回は対話型プロセスを選択しました。
8. 以下のようにアカウントと、テストコントローラーの登録を行います。
9. 設定の適用で以下のようになればOKです。
これでテストエージェントの設定は終了です。
Visual Studioからテストの作成:
10. Controllerで、Visual Studioを管理者権限で起動し、テスト→テストコントローラーの管理をクリックします。
11. コントローラーに"controller"と入力し、以下のようになればOKです。
12. ロードテストを作成します。ロードテストの作成は前回のブログを参考にしてください。
13. テスト→テスト設定の編集→ローカルをクリックします。
14. 全般の名前を任意の名前に編集します。
15. ロールのテストの実行メソッドを「リモート実行」にし、コントローラーにcontrollerと入力します。
16. 名前を付けて保存で保存します。
17. テスト→アクティブな設定の選択で先ほど保存したものを選択します。
18. 作成したロードテストを実行します。テストを実行するとエージェントが「テストを実行しています」となることを確認してください。
19. テストの結果が、ロードテスト同様に表示されるのでそちらを確認します。
上記ではテストエージェントは1つのコンピューターだけですが、複数のコンピューターでも使用で、環境に応じたストレステストをかけることができます。
リンク
・Visual Studio Load Test Feature Packのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/visualstudio/products/2010-editions/load-test-virtual-user-pack/overview
・Visual Studio 2010 Load Test Feature PackとVisual Studio Load Test Virtual User Pack 2010についてよく寄せられる質問(FAQ)
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/vstudio/ff520697
・Installing and Configuring Visual Studio Agents and Test and Build Controllers(英語)
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/dd648127.aspx
・Identify and Fix Performance Problems with Microsoft Visual Studio Ultimate (Tech·Ed US)
http://channel9.msdn.com/Events/TechEd/NorthAmerica/2011/DEV302